クリストファー・ノーラン版のバットマンシリーズ第二作目。

ティム・バートンの『バットマン』のジャック・ニコルソン版ジョーカーに思い入れがあるファンは、新進のヒース・レジャーがジョーカーを演じるのにかなり抵抗あったと思います。何を隠そう私もその一人でした。しかしヒース・レジャーさん、圧倒的な怪演でそんな不安をガッツリねじ伏せてくれましたねホント。この人の新作を観ることができないのはホントに残念。

コウモリ

本作のジョーカーの魅力は、とにかく狂気の底が全く見えないところ。決して腕っぷしは強くないんだけど、次に何をしかけてくるか全く予想できない不気味さがたまらない。

最初の銀行強盗のシーンからもうハチャメチャ。

一緒に銀行を襲撃するメンバーさえも情け容赦なくブチ殺しまくるジョーカー。もう彼が今後何をしでかすか分らないカオスに引きずり込まれまくり。

そして彼の最終目標はゴッサム・シティの征服とか金持ちになるとか、そういう物では無いのも怖い。単に色々引っ掻き回して皆を怖がらせたいだけ。敵も味方も、そんなジョーカーに完全に手玉に取られちゃう。そして観客も完全に得体のしれない恐怖の虜。これが決してスーパーナチュラルな悪役で無いのも素晴らしい。

この手のヒーローものの王道である「ヒロインをちゃんと助ける」ってのを大胆に覆しちゃう展開も、またインパクト絶大。バットマンはレイチェル(マギー・ギレンホール)を助けるつもりだったのに、これまたジョーカーの狡猾な罠に見事にハマっちゃうわけです。

そして正義のシンボルに奉ろうとしたハービーは、顔半分焼かれてトゥー・フェイスとして暗黒面に堕ちちゃうし。とにかく2時間半の長尺を全く退屈させないまとめ方も素晴らしい。